ヴィトリが1320年頃に発表した理論書『アルス・ノーヴァ』は、新しい時代の記譜法を示したことで重要だ。それによれば、音符の音価は3つないし、2つに分けられる。3つに分けるものは Select... 完全分割 完全分離 不完全分割 月極め分割 、2つに分けるものを Select... 完全分割 完全分離 不完全分割 月極め分割 という。さらに同書ではそれまで以上に細かな音価の音符が示された。これによって一層複雑なリズムが表記できるようになった。この頃の音楽でとりわけ重要なのは、対位法の音楽を作曲する際に基礎となる定旋律を同一のリズム型で歌う技法で、これを Select... イソ イネ オカ ソイ リズムといい、ヴィトリやマショーらはモテトの作曲に用いた。