古典派のハイドンに引き続き、19世紀にもオラトリオはさかんに作曲された。
ドイツでは、メンデルスゾーンは、最初はキリスト教徒を迫害していたあるユダヤ人がキリスト教の信仰に目覚めていく物語を描いた Select... 《最後の審判》 《キリスト》 《聖パウロ》 《エリア》 などのオラトリオを作曲した。
また、アイルランドの詩人トマス・ムーアの『ララ・ルーク』のなかのエピソードを取り上げたシューマンの Select... 《薔薇の巡礼》 《ゲノフェーファ》 《マンフレッド》 《楽園とペーリ》 は、世俗的なオラトリオだと言える。
フランスでは、聖書で描かれたヘロデ王の幼児虐殺をテーマとしたベルリオーズの Select... 《キリストの幼時》 《トロイアの人々》 《宗教裁判官》 《トリスティア》 などのオラトリオがある。