音楽史トライアル(古代ギリシャ・ローマ)

音楽理論 古代ローマ

アリストクセノスのゲノス理論を、数比で音程をあらわす立場からとらえなおそうとしたのが、2世紀に活躍したである。

彼はまた、移高音階、すなわちについても規定している。それは、高い音から【全音】-【全音】-【全音】-【半音】-【全音】-【全音】-【半音】という音程関係でならぶオクターブ種(ミクソリュディオス)をつなげて2オクターブにした音階を、4度下ないし5度上に繰り返し移高させ、2オクターブの枠内で折り返すかたちでつぎつぎに音階を導き出すというものである。これらを「中央のオクターブ」と呼ばれるe-e1の音域で区切ると、7種類のオクターブ種(エイドス)が出揃う。

さらに彼は、音組織における秩序と、天体や人間の魂の秩序に対応関係があると考えた。このハルモニア論は、17世紀に惑星の運動に関する法則を解明したことでも知られるにも大きな影響を与えた。