バルトークは、1904年から民俗音楽の採集をはじめた。最初は、自国のハンガリーを対象としていたが、しだいに、それ以外の地域にも出かけてゆくようになる。それと並行して、収集した音楽に基づく作品も創作している。たとえば、1928年に作曲されたヴァイオリンとピアノのための2曲の Select... 《ファンタジー》 《カプリッチョ》 《プレリュード》 《ラプソディー》 においては、ハンガリーやルーマニアの民俗音楽が使われていることがわかっている。
また、バルトークは、全6巻におよぶピアノのための Select... 《ミクロコスモス》 《マクロコスモス》 《ミクロムジカ》 《マクロムジカ》 のように、教育用の音楽作品の創作にも熱心であった。そして、教育向けの作品においても、民俗音楽を活かすようになった。その代表例としては、ピアノのための《子供のために》と、2本の Select... ヴァイオリン ヴィオラ チェロ コントラバス のための《44の二重奏曲》が挙げられる。