音楽史トライアル(現代)

ノーノ

ルイジ・ノーノ(1924~90)は、イタリアのヴェネツィアに生まれた。パドヴァ大学で法律を専攻するとともに、ヴェネツィア音楽院で作曲を学んだ。彼の最初の作品である《カノン風変奏曲》においては、シェーンベルクのの音列を用いている。

1987年に日本で初演された《進むべき道はない、だが進まねばならない…アンドレイ・タルコフスキー》では、通常のオーケストラのほかに、にオーケストラを配置しており、音がホールのなかを移動する空間音楽の効果をひきおこすものになっている。

ノーノは、その政治的な信条を作品で表現することもあった。1956年のは、ファシズムの犠牲となり死刑判決を受けた闘士たちの別れの手紙を歌詞とした独唱・合唱作品となっている。