これまで、もっぱらダイアトニック・コードを用いたコード進行についてお話してきましたが、ここからは、
ダイアトニック・コード以外の和音、すなわち音階外の音が構成音になっている和音「ノン・ダイアトニック・コード」を用いたハーモニーについてもお話しましょう。
まずは「セカンダリー・ドミナント・コード」(副属七の和音)を紹介します。譜例9を見て下さい。
これはK2(T→S→D→T)のコード進行ですが、この1小節目に、次のようなノン・ダイアトニック・コードのE7を加えることができます。
なぜここでE7が加えることができたかと言いますと、2小節目Am7を、CメジャーのⅥm7とはとらえずに、
ある調の主和音に置き換えてとらえると、新たなハーモニーが成立するのです。そのある調とはAマイナーになります。そしてAマイナーの主和音Am7にドミナント・モーションできるコードとは、E7に他なりません。
このE7のように、「その調の主和音以外のダイアトニック・コードにドミナント・モーションする和音」のことを
セカンダリー・ドミナント・コードというのです。
この他にも、セカンダリー・ドミナント・コードはいろいろなケースが考えられます。
譜例11で、コード・ネームが丸で囲まれた和音はすべてセカンダリー・ドミナント・コードで、これらはどれも、「その調の主和音以外のダイアトニック・コードにドミナント・モーションする和音」という条件を満たしています。