次に、セブンス・コードとともに四和音である「シックス・コード」についてお話します。
シックス・コードは、長三和音や短三和音にルートから長6度上の6thを加えたものです。
おもにⅠ度上でのメジャーのシックス・コード(和音機能はT)、Ⅳ度上でのメジャーのシックス・コードと
マイナーのシックス・コードが(どちらも和音機能はS)が使われます。
これまでお話してきたコード進行を、シックス・コードに置き換えることも可能です。
例えば、譜例17の①のように、K2(T→S→T)コード進行のⅠ△7→Ⅳ△7→Ⅰ△7を、
Ⅰ6→Ⅳ6→Ⅰ6に置き換えることができます。さらには、このコード進行の真ん中を、
同主短調からの借用和音を持ってきて、譜例17の②のようにⅠ6→Ⅳm6→Ⅰ6とすることも可能です。
Ⅳm6には、さらに代理和音も存在します。音階Ⅶ音の半音下、すなわち♭Ⅶ音をルートとした、
ドミナント・セブンス・コードの♭Ⅶ7で、Sの和音機能を果たします。
譜例17の①、②と譜例18は、どれもトップの声部がド→レ→ドですが、真ん中のコードを置き換えることによって、3種の異なるハーモニーが得られます。
ただいまⅣm6の代理和音について説明しましたが、今度はⅤ7、すなわちドミナント・セブンス・コードの
代理和音についてお話しましょう。