楽典解説 > 音階(おんかい)  p.7

旋律短音階

和声短音階の Fa → Sol# は増2度になっていて、旋律としては歌いにくく不自然になりやすいのですが、それを解消するのが旋律短音階です。

1)旋律短音階 上行形

特に旋律が上行するとき、導音から主音に到達したほうが良い場合が多いのですが、手前の増2度を解消するために、導音の前の音も半音高めます。

その結果、旋律短音階(上行形)は、次のように進行します。

【 全音 → 半音 → 全音 → 全音 → 全音 → 全音 → 半音

これにより増2度の不自然さは解消され、導音の効果も得ることができます。<

楽譜では次のようになります。

2)旋律短音階 下行形

旋律が下行する場合は、導音である必要性は少なくなります。そうなれば、同時に半音高めた音も高める必要性を失います。したがって下行するときは自然短音階と同様になります。

旋律短音階(下行形)は、次のように下行進行します。

【 全音 → 全音 → 半音 → 全音 → 全音 → 半音 → 全音 】

受験生への注意!

試験などで上行形に続いて下行形を書く場合、上例のように Sol と Fa にナチュラルを書くのが親切です。その際に括弧はなくても構いません。