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Ⅱ. パーツからユニットへ

パーツは人体に置き換えて考えるならば、細胞のようなものです。

様々な細胞を組み合わせて集積・構築していけば、手や足と成り、やがては体へと発展していくのです。

いくつかのパーツを組み合わせ、小さなまとまり(以後ユニットといいます)を作ってみましょう。

ユニット(小さなまとまり)

集めたパーツを組み合わせたり、連続させることによって一つのまとまりにしてみましょう。

音楽ではフレーズ、または楽句などと呼ばれてますが、長さやその単位に明確な定義はありません。

単語や熟語が組み合わされて、短い文章ができていくのと少し似ています。

文章には文法がありますが、音楽にはありません。作った人が納得し満足できることが大切です。

まとめ方にはいろいろな方法や長さが考えられますが、ここでは4つ分のパーツをまとめてみましょう。

まずはじめに、いくつかの音楽的キャラクター(例)を考えておきます。

音の高低による分類

a 高音域

b 中音域

c 低音域

強弱による分類

a 強い音

b 中間 

c 弱い音

速さによる分類

a 速いフレーズ

b 中間    

c 遅いフレーズ

音の長短による分類

a 長い音価

b 中間  

c 短い音価

心理面に作用する分類

a 怖い感じの音

a 楽しい感じの音

a 気持ちが沈むような音

a 悲しい感じの音

a 驚いた感じの音

a イライラするような音

<方法① 同じパーツの連続>

<例>① b - ① b - ① b - ① b - …

変化がないために飽きるが、
記憶に残る。
印象も深まる。

<方法② 似た要素のパーツ>

<例>① a - ① a - ① b - ① c - …

多少の変化は感じるものの、
記憶に残りにくい。
しかし雰囲気は伝わる。

<方法③ 違う要素のパーツ>

<例>② a - ⑧ a - ④ a - ① c - …

変化にとんでいて興味はひかれる。
しかし、記憶に残りにくく
まとまりを感じにくい。

ユニットとして今後鍵をにぎるのが、特徴や個性です。

当然インパクトが強い要素のパーツであれば越したことはないのですが、方法1のように繰り返すことによって印象を与えるのも一つの方法です。

変化がないという欠点を補うためにほかのパーツを入れてみましょう。

<方法④ 2回目を入れ替える>

<例>① b - ⑧ a - ① b - ① b - …

<方法⑤ 3回目を入れ替える>

<例>① b - ① b - ⑧ a - ① b - …

<方法⑥ 2・3回目を入れ替える>

<例>① b - ⑧ a - ⑧ a - ① b - …

   ① b - ⑧ a - ⑤ a - ① b - …

音楽の流れの中での繰り返しは単なる反復ではなく、秩序性の中に特徴や個性が生まれる意味深い反復といえます。

問題はその反復の仕方と変化のさせ方が、ユニットとしてのまとまり感を決定する訳です。

次の項(Ⅲ. ユニットから形へ)の為に4~6程度のユニットを作っておきましょう。