楽典解説 > 調(ちょう)  p.1

ある楽曲において、主音(中心となる音=中心音)が存在するとき、その主音は楽曲に大きな影響を与えています。

ハ長調を例にすると、Do(または主和音)に向かって進もうとする力を感じることがあるでしょう。そのように主音に進もうとする引力のような 「力関係」 が存在します。調という言葉はその力関係の存在をあらわしています。またそのように中心音が存在する音楽のことを、「調性音楽」といいます。

※ 調性音楽とは、広い意味では後述する「旋法」を用いる音楽も含んでいます(中心音が存在する音楽)。ただ、今日では長調と短調の2種類の音楽のことを指して調性音楽としている場合もあるようです。

調の名称

主音がある音楽で、その主音と旋法の名称を併記したものが、調の名称になります。

主音の音名 + 旋法の名称

例.長音階(長調)があり、その開始音が「Do」の場合、

 1)日本語で表すと、

「ハ」 + 「長調」 = 「ハ長調」

 2)ドイツ語で表すと、

「C」 + 「dur」 = 「C dur」

 3)中国語で表すと、

"C"+"大调" ="C大调"

長調と短調

長調と短調はもともと「旋法」から発展してきました。イオニア旋法から「長旋法」へ、エオリア旋法から「短旋法」へと発展しましたが、今日ではその2種類は旋法の概念からはずれて、それぞれを「長調」「短調」というようになりました。

旋法について、詳しくは 「旋法」 の項目を参照してください。