コード進行法の基礎 INDEX

コード進行法の基礎4

同主短調からの借用和音

「同主短調」とは、あるメジャーの調から見て、主音が同じマイナーの調のことをいいます。Cメジャーの同主短調はCマイナーで、Gメジャーの同主短調はGマイナーです。

メジャーのハーモニーでは、同主短調の同じ度数の和音を、一時的に借りて用いることができます。つまりCメジャーのハーモニーであれば、Cメジャーのダイアトニック・コードによるコード進行中に、一部、Cマイナーのダイアトニック・コードが入ってきて、その部分が短い転調になる、ということです。

借用できる同主短調のコードの代表的なものは、Ⅱm7(♭5)、Ⅳm7、Ⅵ△7です。

主調がⅡm7のところで同主短調のⅡm7(♭5)を、主調がⅣ7のところで同主短調のⅣm7を、主調がⅥm7のところで同主短調のⅥ△7を借用することができます。

次に例を挙げます。

譜例14

譜例14の8小節のコード進行中、5小節目から7小節目にかけて、Ⅵm7→Ⅳ△7→ Ⅱm7という進行がありますが、これらを同主短調であるCマイナーの同じ度数の和音から借用と、次のようになります。

譜例15

譜例15の▼で示したコードが同主短調の借用和音(※)です。譜例14と譜例15を聴き比べてみると、同主短調の借用和音があらわれることで、後半4小節の響きのニュアンスがずいぶんと変化することを確認できるかと思います。

※注:同主短調の借用和音は、クラシックの和声学では「準固有和音」として扱われます。

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