楽典クラシック系INDEX

調(ちょう)p3

 

5度圏(ごどけん)

例えば Do を基準にして、完全5度ずつ高めたり低めたりする方法で、音列を作ることができます。このような音の世界のことを「5度圏」といいます。

5度で上行する例を下に示します(途中から2オクターブ下げて記します)。結果的にシャープ系となり、Si のシャープ(異名同音で Do) まで進む間に12平均律のすべての音を通過します。

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5度で下行する例を下に示します(途中で2オクターブを上げて記します)。結果的にフラット系となり、Re のダブルフラット (異名同音で Do) まで進む間に12平均律上のすべての音を通過します。

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コラム

音程が完全5度上になると、音の周波数は 3/2 倍(1.5倍)になります。完全5度下の周波数は 2/3 倍(0.666...倍)です。このように 3/2 倍(2/3 倍)を重ねていくとすべての音(12音)を通過して元に戻るなんて・・・ なんともミラクルなお話です。

ところがそんなウマい話でもなく、1.5 倍を積み重ねていって戻ってくるときの音と最初の音との間には、微妙なズレが生じます(半音の 1/4 程度のズレ。これをピタゴラス・コンマという)。

下記の用語で「音律」について調べてみてはいかがでしょうか。きっと勉強になります。

{ ピタゴラス 純正律 中全音律 平均律 }

スクールの総合音楽講座「ピタゴラスと平均律とトランペット / 曽我部清典著」に詳細が記されています。

調号の特徴 1

1)ある調から主音が完全5度 「高く」 なるにつれて、シャープが1つ増えます。

2)ある調から主音が完全5度 「低く」 なるにつれて、フラットが1つ増えます。

ハ長調を基準にすると・・・

 完全5度 「高い」 ト長調は、ハ長調に比べ、シャープが1つ増えてシャープが1つの調号。

 完全5度 「低い」 ヘ長調は、ハ長調に比べ、フラットが1つ増えてフラットが1つの調号。

ト長調 (シャープ1つ) を基準にすると・・・

 完全5度 「高い」 ニ長調は、ト長調に比べ、シャープが1つ増えて シャープが2つの調号。

 完全5度 「低い」 ハ長調は、ト長調に比べ、シャープが1つ減って 調号なしとなる。

※ もともとシャープが2つある調号でフラットが1つ増えるということは、「シャープが2つと、フラット1つ」になるのではなくて「シャープがフラットで相殺されてシャープが1つ減る」ということになります。

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