関係調とはある2つの調が互いにどのような関係にあるのか、ようするに調の相互関係を表すことばで下記のような用語が使用されます。
ある2つの調の音階構成音(音階に用いられている音)を比べたときに、同じ音が多く含まれている場合を近親調といいます。例えばハ長調とト長調の構成音を比較すると Fa のみが違いその他の構成音は同じですから、これを近親調といいます。
近親調には属調(ぞくちょう)、下属調(かぞくちょう)、平行調(へいこうちょう)、同主調(どうしゅちょう)があります。
次の2つを近親調に加える理論書も多くあります。
同じ音階構成音を多く持つ調は近親調と定義されますが、どのくらい構成音が同じならば近親調かという基準は明確ではありません。理論書によってもその範囲には違いが出ています。
当スクールでは上の6種の調を近親調として扱っていますので、ハ長調、ハ短調での近親調の例を示します。
ハ長調を基準とした場合の近親調
① 属調 → ト長調
ハ長調での和音度数:Ⅴ
② 下属調 → ヘ長調
ハ長調での和音度数:Ⅳ
③ 平行調 → イ短調
ハ長調での和音度数:Ⅵ
④ 同主調 → ハ短調
ハ長調での和音度数:-Ⅰ
⑤ 属調の平行調 → ホ短調
ハ長調での和音度数:Ⅲ
⑥ 下属調の平行調 → ニ短調
ハ長調での和音度数:Ⅱ
ハ短調を基準とした場合の近親調
① 属調 → ト短調
ハ短調での和音度数:Ⅴ
② 下属調 → ヘ短調
ハ短調での和音度数:Ⅳ
③ 平行調 → 変ホ短調
ハ短調での和音度数:Ⅲ
④ 同主調 → ハ長調
ハ短調での和音度数:+Ⅰ
⑤ 属調の平行調 → 変ロ長調
ハ短調での和音度数:Ⅶ
⑥ 下属調の平行調 → 変イ長調
ハ短調での和音度数:Ⅵ
上表にはそれぞれの調からの和音記号を付していますが、例えば、ハ長調のⅡ和音(2どのわおん/Re-Fa-La)はニ短調の主和音であることを示しています。
このように固有三和音が近親調の主和音となっていることが大部分で(-I +I を除くすべて)、これを和声学では固有和音調といいます。近親調の中では同主調が固有和音調ではありません。
詳しくは、和声学で学びましょう。
近親調以外の調を言います。
作品の中で遠隔調へ転調することは良くみられます。
作品の中で遠隔調が長く場合、途中で調号を変更する場合があります(臨時記号を減らし楽譜を読みやすくできる)。
1)属調は、シャープが1つ増える調です。もともとフラット系の場合は、フラットが1つ減ります。
2)下属調は、フラットが1つ増える調です。もともとシャープ系の場合は、シャープが1つ減ります。
3)主要な4つの関係調の中で、長調と短調が入れ替わるのは、平行調と同主調です。