楽典解説 > 和音の所属(わおんのしょぞく)  p.1

音楽大学の入試でしばしばみられる設問に、指定された和音が所属する調を答えるものがあります。

例えば次のような設問です。

次の和音が所属する調を答えなさい(短調は和声短音階とする)。

これは、Do- Mi- Sol を固有三和音として持っている調を聞いています。

この Do- Mi- Sol は、いかにもハ長調のⅠの和音ですが、ほかの調でも用いられてはいないでしょうか。

例えば、ヘ長調の固有三和音を示します。

Ⅴの和音が Do - Mi - Sol になっています。

このように、示された和音が固有和音となる調を答えます。

答え. ハ長調(Ⅰ)  ト長調(Ⅳ)  ヘ長調(Ⅴ)  ヘ短調(Ⅴ)  ホ短調(Ⅵ)

以上、5つの調での固有和音として用いられています。

このように、長三和音は5つの調に属しています。(長調が3つ、短調が2つ)


続いて、次の和音は何調に所属するかを考えます(短調は和声短音階とする)。

この La- Do- Mi は、いかにもイ短調のⅠの和音ですが、他の調でも用いられてはいないでしょうか。

例えば、ト長調の固有三和音を示します。

Ⅱの和音が La - Do - Mi になっています。

答え. イ短調(Ⅰ)  ト長調(Ⅱ)  ヘ長調(Ⅲ)  ホ短調(Ⅳ)  ハ長調(Ⅵ)

以上、5つの調での固有和音として用いられています。

このように、短三和音は5つの調に属しています。(長調が3つ、短調が2つ)