総合音楽講座 > 第5回 ブルグミュラーのアラベスク (分析編) > P2

素材とは

作品に用いられている、特徴的な音の動きを、<素材> と呼びます。素材は、リズムに特徴があったり、音の進行(上に行く、下に行くなど)に特徴があるなどさまざまです。

曲の冒頭の4つの素材を見ていきましょう。それぞれを、素材A~素材Dと名付けます。

素材A

順次進行で上行して下行する素材で、作品中によく表れます。

素材B

順次進行で上行する素材で、リズムは素材Aと同様。素材Aと同様に、
作品中に多く用いられています。

素材C

同音連打から2度上行、そして3度下行。素材A、Bとは違った要素が
盛り込まれています。

素材D(はじめの Re をのぞく)

4度下行、2度上行、3度下行が特徴。素材Cに近い感じがします。

素材が組み合わされて、フレーズが出来てきます。

まずは、素材Aと素材Bが組み合わされて発展し、フレーズの前半部分ができます。(フレーズAとする)

続いて、素材C と 素材D が組み合わされて、フレーズの後半部分ができます。(フレーズBとする)

これらのフレーズ、AとBを足すと、ひとまとまりの旋律ができますが、これを <大楽節> と呼びます。

また、作品の主要な旋律(大楽節)のことを、テーマ(主題)と呼ぶこともあります。