パーツは人体に置き換えて考えるならば、細胞のようなものです。
様々な細胞を組み合わせて集積・構築していけば、手や足と成り、やがては体へと発展していくのです。
いくつかのパーツを組み合わせ、小さなまとまり(以後ユニットといいます)を作ってみましょう。
・ユニット(小さなまとまり)
集めたパーツを組み合わせたり、連続させることによって一つのまとまりにしてみましょう。
音楽ではフレーズ、または楽句などと呼ばれてますが、長さやその単位に明確な定義はありません。
単語や熟語が組み合わされて、短い文章ができていくのと少し似ています。
文章には文法がありますが、音楽にはありません。作った人が納得し満足できることが大切です。
まとめ方にはいろいろな方法や長さが考えられますが、ここでは4つ分のパーツをまとめてみましょう。
まずはじめに、いくつかの音楽的キャラクター(例)を考えておきます。
音の高低による分類
① a 高音域
① b 中音域
① c 低音域
強弱による分類
② a 強い音
② b 中間
② c 弱い音
速さによる分類
③ a 速いフレーズ
③ b 中間
③ c 遅いフレーズ
音の長短による分類
④ a 長い音価
④ b 中間
④ c 短い音価
心理面に作用する分類
⑤ a 怖い感じの音
⑥ a 楽しい感じの音
⑦ a 気持ちが沈むような音
⑧ a 悲しい感じの音
⑨ a 驚いた感じの音
⑩ a イライラするような音
<方法① 同じパーツの連続>
<例>① b - ① b - ① b - ① b - …
変化がないために飽きるが、
記憶に残る。
印象も深まる。
<方法② 似た要素のパーツ>
<例>① a - ① a - ① b - ① c - …
多少の変化は感じるものの、
記憶に残りにくい。
しかし雰囲気は伝わる。
<方法③ 違う要素のパーツ>
<例>② a - ⑧ a - ④ a - ① c - …
変化にとんでいて興味はひかれる。
しかし、記憶に残りにくく
まとまりを感じにくい。
ユニットとして今後鍵をにぎるのが、特徴や個性です。
当然インパクトが強い要素のパーツであれば越したことはないのですが、方法1のように繰り返すことによって印象を与えるのも一つの方法です。
変化がないという欠点を補うためにほかのパーツを入れてみましょう。
<方法④ 2回目を入れ替える>
<例>① b - ⑧ a - ① b - ① b - …
<方法⑤ 3回目を入れ替える>
<例>① b - ① b - ⑧ a - ① b - …
<方法⑥ 2・3回目を入れ替える>
<例>① b - ⑧ a - ⑧ a - ① b - …
① b - ⑧ a - ⑤ a - ① b - …
音楽の流れの中での繰り返しは単なる反復ではなく、秩序性の中に特徴や個性が生まれる意味深い反復といえます。
問題はその反復の仕方と変化のさせ方が、ユニットとしてのまとまり感を決定する訳です。
次の項(Ⅲ. ユニットから形へ)の為に4~6程度のユニットを作っておきましょう。