次に、日本語と英語を見てみます。
日本語 | ハ | ニ | ホ | ヘ | ト | イ | ロ | |
英語 | C | D | E | F | G | A | B |
日本語では、音名に「いろはにほへと」を用います。日本語での派生音は、
1)シャープで半音高められると、嬰(えい)を付ける。
ハ を半音高めたら 嬰ハ → |
2)フラットで半音低められると、変(へん)を付ける。
ホ を半音低めたら 変ホ → |
3)ダブルシャープで2半音高められると、重嬰(じゅうえい)を付ける。
ト を2半音高めたら 重嬰ト → |
4)ダブルフラットで2半音低められると、重変(じゅうへん)を付ける。
ロ を2半音低めたら 重変ロ → |
英語では、音名に「ABCDEFG」を用います。英語での派生音は、
1)シャープで半音高められると、sharp を付ける。
C を半音高めたら C sharp → |
2)フラットで半音低められると、flat を付ける。
E を半音低めたら E flat → |
3)ダブルシャープで2半音高められると、double sharp を付ける。
G を2半音高めたら G double sharp → |
4)ダブルフラットで2半音低められると、double flat を付ける。
B を2半音低めたら B double flat → |
ジャズなどアメリカ生まれの音楽では広く用いられています。また「コードネーム」は英語なので、コードネームをよく用いる音楽や楽器で幅広く用いられています。シャープ、フラットなどの用語なども含めると、いろいろなシーンで知らず知らずのうちに用いられています。
これだけいろいろな国の言葉がいろいろな場所で用いられると、混用が避けられないのが実情です。「ド シャープ」に代表されるように、イタリア語と英語が混ざったりといったことはしばしば見られます。
しかし次に挙げる例は試験の採点でよく見られる間違いで、気持ちは分かるのですが正解にはできませんので、注意しましょう。
・ドイツ語の「H」と英語の「B」の混用
例1. ロ長調を表すのに、H major(正しくはB major)
例2. ロ短調を表すのに、B moll(正しくはH moll)