総合音楽講座 > 第1回 弦楽器について > P4

調弦(ちょうげん)

4本の弦は次のように調律してあります。(調弦といいます)

ヴァイオリンの調弦

ヴィオラの調弦

チェロの調弦

コントラバスの調弦

弦を弓でこすり振動させます。

この振動を弦の下に置かれている“駒”という扇のような木が表板に伝え、魂柱がさらに裏板に伝えていきます。

このようにして胴体全体が振動すると、音として響いていくのです。

駒

ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロは完全5度コントラバスは完全4度の関係で4本の弦が張られていますね。

ピアノはとなりの鍵盤に指を移していくと、ドレミファソ・・・と音階のようになりますが、弦楽器はとなりの弦に移っていくだけでは音階にはなりません。

左手の指で弦を押さえ、弦が振動する部分の長さを変えていきます。指で押さえる場所を変えると音が変わります。

ヴァイオリンのG線とD線を例にとってみます。

ポジション

ポイント

・弦の振動する長さがもとの長さの1/2になると、最初の音よりも1オクターヴ高くなります。

・弦を指で押さえずに、そのまま鳴らすことを開放弦(かいほうげん)で弾く、といいます。

・弦楽器は、演奏者自身が“音のツボ”を押さえてピッチ(音の高さ、音程)をとり、音をつくっていきます。

・フレットのような目印はついていません。演奏者が耳と指先の感覚で音をとっていきます。

瞬間的に弦の的確な場所を押さえられるように、演奏者は練習を積んでいます。また正確な音というだけではなく、音楽の内容にもふさわしいピッチをとって弾いています。

オーケストラのように、何人もの演奏者が集まって同じ旋律をひく場合、演奏者のピッチは一人ひとり微妙に違っています。

この微妙な音の高さの“ずれ”が集まって束になると、全体の音には小さなうねりが起こり、グラデーションがついて、オーケストラの弦楽器独特のつやのある音になるのです。