4本の弦は次のように調律してあります。(調弦といいます)
ヴァイオリンの調弦
ヴィオラの調弦
チェロの調弦
コントラバスの調弦
弦を弓でこすり振動させます。
この振動を弦の下に置かれている“駒”という扇のような木が表板に伝え、魂柱がさらに裏板に伝えていきます。
このようにして胴体全体が振動すると、音として響いていくのです。
ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロは完全5度、コントラバスは完全4度の関係で4本の弦が張られていますね。
ピアノはとなりの鍵盤に指を移していくと、ドレミファソ・・・と音階のようになりますが、弦楽器はとなりの弦に移っていくだけでは音階にはなりません。
左手の指で弦を押さえ、弦が振動する部分の長さを変えていきます。指で押さえる場所を変えると音が変わります。
ヴァイオリンのG線とD線を例にとってみます。
・弦の振動する長さがもとの長さの1/2になると、最初の音よりも1オクターヴ高くなります。
・弦を指で押さえずに、そのまま鳴らすことを開放弦(かいほうげん)で弾く、といいます。
・弦楽器は、演奏者自身が“音のツボ”を押さえてピッチ(音の高さ、音程)をとり、音をつくっていきます。
・フレットのような目印はついていません。演奏者が耳と指先の感覚で音をとっていきます。
瞬間的に弦の的確な場所を押さえられるように、演奏者は練習を積んでいます。また正確な音というだけではなく、音楽の内容にもふさわしいピッチをとって弾いています。
オーケストラのように、何人もの演奏者が集まって同じ旋律をひく場合、演奏者のピッチは一人ひとり微妙に違っています。
この微妙な音の高さの“ずれ”が集まって束になると、全体の音には小さなうねりが起こり、グラデーションがついて、オーケストラの弦楽器独特のつやのある音になるのです。