弦楽器にはいろいろな奏法があります。代表的なものをあげてみます。
弦を押さえている左手の指を細かく震わせ、音を揺らします。音そのものに輝きがでてきます。
弓で弾かずに、弦を指ではじきます。
開放弦の音ほうが (弦を指で押さえている音よりも) よく響きます。
チェロやコントラバスのような大きな楽器での Pizzicato は、音がよく響き余韻が残ります。
arco は pizz. をやめて弓で弾く、という指示です。
① 弓のトレモロ
弓を細かく刻むように速く返しながら弾く。同じ音を非常に速く連続して弾くので、フォルテの強い音量なら情熱的になり、ピアノの弱い音量ならば霧がかかったような雰囲気をかもしだします。オーケストラ作品では多く用いられる奏法です。
② 指のトレモロ
2つの音をトリルのように素早く繰り返す。(左指を速く動かす)複数の弦楽パートで同時に行うと、小さな波が揺れてつらなっていくように聴こえます。
弓の毛の部分で弾かず、木の棒のほうを弦の上で軽くはずませる、あるいは弦をこすって弾きます。
弓でこする場所を指板のほうによせます。やわらかくデリケートな音です。
弓でこする場所を駒のほうによせます。鼻にかかったような音がします。
ある音を弾き、そのまま弦を押さえながら次の音に指をずらします。
音がつながるので感情的な表現に向きます。
弦に軽くふれて倍音をだします。(弦をしっかり押さえない)
透明な音質の弱い音です。
弱音器(ミュート)をつけて弾きます。
ミュートをつけずに弾く音とは違い、淡い色あいです。たちこめた霞の中から音が聴こえてくるような印象を受けます。
senza sordino は弱音器をとって弾く、という指示です。