音色をつくったり、ニュアンスや強弱をつけたりといった表現は、演奏者の息づかい、唇や舌の動き、とすべて“口”にかかっています。演奏者は次のようなことをコントロールしています。
・吹き込む息の量
・吹き込むスピード(速く吹き込むかゆっくり吹き込むか)
・時間的な長さ(短く吹き込むか、長く息を入れるか)
息のコントロールにつかうのが、“タンギング”です。「トゥ」と発音すると舌が前歯の裏に触れます。この舌の動きを使って息を入れたり、止めたりすることがタンギングです。「トゥ」「トゥ」と短く繰り返せば、音も短くなります。
基本的にスラーがかかっている間はタンギングをしないで息を吹き込み続け、スラーが区切れるところ、スラーがかけられていない音はタンギングをします。
メロディーをじっくりと聴かせたいときには息を長くつかう、音をはずませるなら短く息を入れる、クレッシェンドするときは息を徐々にたくさん入れていく・・・歌をうたうような感覚です。
木管の音楽表現は、「息づかい」で決まります。