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F.シューベルト(1797-1828)/子守歌(作品98-2 D.498)

シューベルトが作曲した 子守歌 です。

美しくのびやかなメロディーがゆったりとゆりかごを揺らすような伴奏型のリズムにのって心地良く歌われます。

だんだん・・・・ねむく・・・なって・・きま・し・・・たね・・ZZZZZ....

でも!!

寝ないで下さいね。まだ講義は始まったばかりです。

この曲は子守歌にふさわしく、上に挙げたようにゆったりとしたテンポ、おだやかな音楽の流れで進んでいくので心もおだやかになる、というのは理解できますが、この名曲の創作の秘密はほかにもあるのではないでしょうか。

この子守歌で使われている和音(和声進行)だけを抜き出して示してみます。

このようにC(Iの和音)とG(Vの和音)という2種類の和音が使用されているのがわかります・・・いや、逆の言い方をすると、和音は2種類だけ。

I の和音からVの和音へ、そしてまたもとへ戻って・・・行ったり来たり・・・ゆりかごに揺られているようで・・・

ああ・・・・・またねむくなっ・・てき・・た・・zz zzzz zzzzz  zzzz.......

ですから!

なるほど子守歌としては相応しい和音の使い方なんですね。

もしも、和音の種類をもっと沢山使って、和音をうんと頻繁に変えてみたらどうなるでしょう。以下はわざと多くの和音を使用した実験です。

これを聞いて育った赤ちゃんは?_φ(* ̄0 ̄)ノ・・こーんな不思議な感じになったりして。

音源再生。