「R☆Sオケ」演奏会でのブラームスの交響曲第1番、最後のクライマックスで指揮者である千秋真一が心の中で叫びます。「歌え、歓喜の歌を!」。。。
おや?「歓喜の歌」といえば、年末に歌われるベートーヴェンの「第9」じゃなかったっけ?
2つの「歓喜の歌」 これがポイントです。
それでは[譜例1]をみてみましょう。まず、ベートーヴェンの「歓喜の歌」です。
原曲はD dur(ニ長調)なのですが、ブラームスと比較しやすいように、C dur(ハ長調)にしてあります。(これを「移調」といいます)
[譜例1]
ベートーヴェン/交響曲第9番 ニ短調 作品125 第4楽章 (主旋律)
ここで旋律の分析を試みましょう。
全体で16小節ありますが、旋律のまとまりに従って4小節ずつに分割します。
すると1~4小節と5~8小節は最後の部分だけ少し異なりますが他は同じです。
そこで、それぞれのまとまりを a と a' とします。
9~12小節になると、a とは全く異なるフレーズなので b とし、続く13~16小節は5~8小節と同じなので a' です。
すると全体の構造は、a + a' + b + a' となりますね。