コーダを見てみましょう。
第2部の c moll での全終止のあと、この曲のもっとも大切なテーマの部分(最初の2小節)と、そのあとに続く2度下行の音型 ( sol → sol → fa 、fa → fa → mi♭) をもう一度提示しています。
曲の要約部分だと考えてください。また、25小節目の下声部ですが、この曲の中で、一番低い音域で弾くテ―マであることも意識してください。
最後まで読んでいただき、どうもありがとうございます。
いかがでしたでしょうか。
ちょっと複雑な話に思われたかもしれません。
カノンや転回といったことは、最初からプランをたてて作られているということ、また、曲の全体構造にも相当気を配っているということがわかっていただければ幸いです。
バッハが「どのようにすれば抱いている想いや感情を効果的に伝えることができるのだろうか」と考え抜いて使った技法ですから…。